【本革の製品がなくなる!?】レザーアイテムの移り変わりと未来
こんにちは!
私は、四年制服飾大学を卒業し、現在アパレルメーカーの本社に勤務している「このきのこ」です。(ふざけた名前ですいません、、語呂がいい名前の方がいいと思ってつけました!)
ファッションに関わるあらゆることを私自身の経験と考えを踏まえつつ、記事にしています。よろしくお願いします!
今回の記事は、「革の製品、レザーアイテムに興味があるけど詳しくはわからない、知りたい」という方に向けた記事です。最後までお付き合いください。
レザーファッションの歴史
まずはレザーファッションの歴史をすごくすごく簡単にまとめたいと思います。
レザーファッションの起源には諸説あります。というのも人間がまだ今のような文明を持っていない頃から、動物の皮や毛皮は多く使用されてきました。一番有名な説は、ネイティブアメリカンが最初に使い始めたという説です。
レザーファッション、中でもレザージャケットが本格的に登場したのは、第一次世界大戦中。ドイツ軍戦闘機のパイロットの防寒着として採用されました。
そしてレザージャケットは、その耐久性や防寒性をかわれ世界各国の軍隊で使用され始めました。有名なところだと、アメリカ軍のA-2フライトジャケットというものがあります。
そしてさらに時代が流れるとアメリカで爆発的なヒットになっていたハーレーダビットソンに乗るバイカーの目に止まり、ライダーが着る服(ライダース)になっていきまいした。
現在ではライダースだけではなく、様々なアイテムにレザーは使われています。
レザーの種類
レザーの種類の説明をする前に以下の二つのことを知っておいてください。
- 皮と革の違い
- 一般革とエキゾチックレザーの違い
1. 皮は、動物が身に纏っていたそのままのもののことを指します。
革は、様々な処理(なめし)をして製品として加工できる状態のものを指します。
2. 一般革とは、牛、馬、羊、豚などの家畜から得られるもののことを指します。
エキゾチックレザーとは、上記以外の希少性の高い生物から得られるもののことを指します。希少性が高いため、一般革よりも高級になる傾向があります。
それでは、レザーの種類について解説します。
- カーフ(牛)
生後6ヶ月以内の子牛皮。薄くてきめ細かい銀面が特徴。牛皮の中で最高級とされる素材。生後3ヶ月以内の子牛皮をベビーカーフ、メスのお腹の中で死んでしまった子牛、生まれてすぐに死んでしまった子牛皮はハラコと呼ばれる。
- キップ(牛)
生後6ヶ月から2年以内の牛皮。カーフよりもややきめは粗いが、その分厚く強度がある。まだ成牛ではないため、傷も少なく銀面が美しい。
- ステア(牛)
生後3〜6ヶ月以内に去勢されて、生後2年以上の牡牛皮。面積も大きく厚みが均一なため、最も流通されている牛皮。
- カウ(牛)
生後2年以上で出産経験のある牝牛皮。ステアよりも柔らかく薄手。ステア同様判も大きいため、流通されている。
- ブル(牛)
生後3年以上の牡牛皮。繊維組織も粗く厚手。また、傷などが目立つことがある。
- 豚
毛が3本づつまとまって全皮厚を貫通しているため、通気性に優れている。また、薄くて軽く摩耗にも強いため、靴などの裏革に使われることが多い。
- 馬
繊維構図は粗大だが、毛穴数が少なく銀面が滑らかである。臀部は非常に密な繊維組織からなり、この部分はコードバンと呼ばれ、高級な革製品に用いられることが多い。
- 羊
品種が多く皮の性状も多様。子羊はラムと呼ばれる。繊維は細かく交絡が緩いので、なめされると柔軟な革になる特徴がある。
- 山羊
皮厚は薄いが弾性繊維の密度が濃く、銀面は対磨性性に優れた革となる。子山羊はキッドと呼ばれる。
- 鹿
傷も多く、比較的銀面も硬いため銀面を除いて使用されることが多い。代表的な革がセーム革。非常に柔軟で感触のいい革なので手袋や衣類に使われる。
- ワニ
爬虫類皮革の代表なものがワニ革。腹部の四角形と横腹の丸く細かい独特の美しい鱗が特徴。クロコダイル・アリゲーター・カイマンに分類され、部位によって形状や性質が異なる。
- オーストリッチ(ダチョウ)
ダチョウのことで、羽毛を抜いた後の丸みのある突起した軸痕(クイルマーク)が他の皮革にない特徴になっており、柔軟性もあり強くて丈夫。クイルマークは全体の約40%しかなく、希少な高級革とされている。
- トカゲ
背部の美しく整然と並んでいる丸い粒状の鱗が特徴。背中に輪状及び点状の斑紋が並んでいるリングマークトカゲがトカゲ革の代表格で、爬虫類皮革の中でもポピュラーな素材として人気。
- ヘビ
個性的な斑紋や鱗模様がヘビ革の特徴。種類はダイヤ形の連続的な模様のあるダイヤモンドパイソン、不規則な図形模様があるモラレスパイソンなど多種多様。
- サメ
サメの皮は鮫肌の所以である楯鱗という硬い表皮があり、塩酸で脱鱗処理後、柔らかくなめして仕上げる。表面の特徴は頭から尻尾に向け細かい連続した網目状に凹凸がある。大型の種は網目状の模様が大きくなる。
- アザラシ・オットセイ
シールスキンと呼ばれ、毛皮あるいは脱毛し皮革として利用されている。海獣の革は厚みがあり丈夫で頭部から尾部に向けてある独特の波状の畝模様が特徴となっている。
- エイ
スティングレーと呼ばれ、小さな粒状の鱗に覆われている。これがビーズのように輝き、美しい表情を見せる。背部の中ほどには真珠様の石が並び、ユニークな特徴となっている。
まだ他にもたくさん種類はありますが、今回はここまでにしようと思います。またリクエストがあれば、もっとマイナーな革の種類もまとめたいと思います。
レザーアイテムの変化
動物性の革は、常に問題視されてきたという歴史があります。
それにより合皮、いわゆるフェイクレザーが登場しました。
しかし実際は、動物から皮をとるために殺してしまうということはありません。皮は、肉に比べて卸価格が低いため、皮を摂るためだけに動物を育てるといのは全くメリットがありません。
人間は毎日すごい量のお肉を食べます。レザーアイテムに使われてる皮のほとんどは、食用や害獣駆除として殺された動物の皮を使用しているので、ある意味究極のサスティナブルといえます。
一方フェイクレザーは、製造工程で大量の水を使用し、大量の二酸化炭素を排出します。環境のことを考えて生み出された人工皮革ですが、実際は、本革を使用する方がはるかに環境に優しいと言えます。
さらに合皮は、空気中の水分や汚れを吸い込み、加水分解してしまうため、3〜5年で劣化してしまうといいます。
この期限は、商品を購入した時ではなく、商品が作られてからなので、購入時には、その商品がいつ製造されたかも調べてから購入を検討しましょう。
とは言っても現在は、動物性の革や毛皮を一切使わないと宣言しているブランドをはじめ、本革を使用しないという流れが、海外のラグジュアリーブランドを中心に起こっています。
しかしこれらは、各ブランドのブランディングという要素も強いと思います。上記の通り、レザーのためだけに動物を殺すことはありません。しかし動物性の革が悪であると暗に思わせて、私たちのブランドが環境に配慮しているいいブランドであることをアピールするブランディング戦略の一つです。
もちろんそれが悪いことではありませんし、その流れに伴い、本革に変わる植物由来やきのこ由来のエコレザーというものも登場しています。これらに技術を発展させているという面では、ファッション業界に良い影響を与えています。
機会があれば、本革や合皮だけではなく、新しい選択肢となる革にも触れてみることをおすすめします。
レザーアイテムに関する注意
レザーアイテムの魅了は、なんと言っても経年変化です。最初は硬くて味気のないものが、使用しているうちに柔らかく、味のあるものへと変化して行きます。
そのような変化に大切なのは日々のお手入れです。
- 水には注意
革の一番の敵はなんと言っても水です。革製品は水分を含むと繊維が固くなったり、水ジミができてしまったりします。日頃から水に濡れないように管理することが大切です。
もし万が一濡れてしまった場合は、すぐに拭き取り、風通しの良い日陰に干すようにしましょう。
直射日光を当ててしまうと水ジミができやすくなってしまうのと、ドライヤーで乾かすとひび割れの原因になりますので、ご注意ください。
- こまめにお手入れをする
ホコリは革にとって厄介な敵です。ホコリが表面についていると、革は呼吸ができませんし、油分が吸い取られてひび割れの原因になります。
こまめに表面を乾いた布で拭き、1〜2ヶ月に一回は油や防水スプレーを塗り、風通しのいいことをに干して、革を休ませましょう。
その他の細かいお手入れ方法は、リクエストがあればまたの機会にまとめたいと思います。
まとめ
レザーは経年変化を楽しむことができて、長く持てば持つほど愛着が湧いてくるアイテムです。
レザーのアイテムを楽しむときは、ぜひどんな素材が使われているのかを意識いて、日々のお手入れを欠かさず、少しでも長く楽しんでみてください。
私個人的にもレザーアイテムは大好きで、色々使っているので、またの機会にご紹介できればと思っています。
私はファッションがもっと楽しくなるコンテンツを日々配信しています。気になった方は、ぜひ他の記事も覗いていってください。
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今回は最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
また次回の記事で!
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